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皆様、こんばんは。
本日は「府中牝馬S」を分析しますが、このレースは名称こそ昨年までも存在していたものの、秋→春に開催時期が変更し、格付けもG2→G3に変更。斤量も別定戦→ハンデ戦に替わっていますので、ほぼ新設重賞の扱い。過去データは当然意味がないですから今回もコース解説にしようかと思いましたが、今回はちょっと趣向を変えて久々に出走馬分析にしたいと思います。
尚、あくまで枠順決定前・追い切り確認前の評価ですから、最終的な評価が上下する可能性があることはご承知おきください。
評価は追い切り分析と同じ7段階で、上から5確勝級→4軸候補→3+有力→3相手まで→3-条件次第→2軽視→1消し)とします。
今回は5頭を取り上げて分析しました。
では、参りましょう。
【2025 府中牝馬S】
3点:グランスラムアスク
11走前(24エプソムC)に御神本Jが脚を溜めて追い込む競馬をしてから差す競馬が板に付いています。ただ、当初は「24エプソムC0.7秒差8着→24小倉記念0.4秒差6着→24ディセンバーS0.6秒差4着」とその内に馬券に絡めるレースも出て来るかも知れないと期待を持たせる戦績でしたが、それ以降は正に尻すぼみの成績に終始するようになってトーンダウン。正直なところ、このままでは同じように冴えない戦績を続けることになると思います。
ただ今回怖いのは51㎏の軽ハンデになることと、その軽量馬に吉田豊Jがわざわざ騎乗して来ることで、吉田豊Jが51㎏で乗るのは2024年6月30日のラジオNIKKEI賞以来。その24ラジオNIKKEI賞では12人気だったメイショウヨゾラに騎乗してあわやの4着に善戦していますが、この時も色気があったからこそ51㎏でも乗ったのでしょう(ちなみに吉田豊Jが51㎏で騎乗したレースは過去5年で13回。勝ち鞍こそないものの、平均人気10.8とほぼ全頭人気薄ながら複勝率は23.1%もあって複回値は350円)。これだけでも不気味ですし、もしかすると軽量を利して思い切った逃げ競馬をして来る気もしていて、どうにも不気味さが漂っています(矢作厩舎×吉田豊Jと言えばパンサラッサですね)。連闘で出て来る以上は何か仕掛けてくると思いますので、決して無視できない一頭だと思います。恐らく全く人気はないので、100円だけでも押さえてみるのもありでしょう。
3+点:シングザットソング
ここまで2戦2勝、いずれも馬群内追走から馬群を割って伸びたレース振りには好感が持てますし、急→緩→急のペースで展開が向いた初戦はともかく、前後半48.1-47.2秒のスローペースだった前走(25こぶし賞)は向かない展開の中を差し切ったのですから立派で、これらは評価に値すると思います。ただ、新馬戦の2~6着馬は次走軒並み二桁着順の惨敗、前走の2着オンザムーブは25シンザン記念9着で次走の1勝C6着、3着アイサンサンは25紅梅S12着、4着メイショウツヨキは25シンザン記念14着と2戦いずれも相手に恵まれましたし、その強くない相手にいずれも接戦。時計・ラップも2戦共に評価出来るものではなく、残した記録からは特に評価は出来ません。また、前走でクリアしたとは言え、やや反応が鈍い面があるので小回りコースも本質的には合うとは思えず、これらから馬柱の印象ほど強いとは思えませんので積極的に買いたいタイプではないです。
それでも、芝での好走馬の約70%が3角4番手以内通過馬と言う事実からも分かるように、ロジャーバローズ産駒は持続力に優れていた父の特徴を次ぐ馬が多いだけに、それとは真逆の競馬で連勝を飾ったことの意味は大きそう。言い換えればベストな競馬では無かったが故にパフォーマンスを上げられなかっただけで、もっと前で受けたり、持続力が要求される流れになってパフォーマンスを上げる可能性が考えられますから、この2戦の結果だけで軽視するのも違うでしょう。脚が速くないので馬場悪化もプラスになりそう。
2点:セキトバイースト
かなり他馬を気にする面があるので摩擦の小さい競馬は必須。脚が遅く速いラップの中で前を交わして行くだけの脚は持っていないワンペース馬ですが、その代わりにかなり持久力には優れているので、前で立ち回ると渋太い。これらが本馬の特徴です。
芝1600m以上の3勝C戦とOPでは4度の好走歴を持ちますが、24チューリップ賞は前後半46.0-47.1秒の前傾消耗戦に持ち込めたことで持ち味である持久力が生きたレース。24ローズSは同60.3-59.6秒のややスローペースにも関わらず2番手馬が意味不明に間を開けてくれたことで大逃げになり、ラスト6F目から淀みないラップを踏んだワンペース適性が生きたレース。25壇ノ浦Sは同48.2-46.9秒のスローペースながら6Fロンスパ戦になったことでワンペース適性が生きたレース。そして前走(25都大路S)は同45.5-47.7秒の前傾消耗戦になったことで持ち味である持久力が生きたレース。そして4戦全て揉まれない競馬だったことで共通しており、これらは本馬の良さが出たレースでした。
一方で、24桜花賞は直線再加速のラップになってギアチェンジに対応出来ずに流れ込んだだけの7着。25中山牝馬Sは3~4角中間で一気にラップが上がった(逃げ馬が後ろを離したのでレースラップ以上にギアチェンジの局面があった)ところで置かれて外から被されて戦意喪失した12着大敗。25福島牝馬Sはテンに遅くて行けず、外から進出を図るも脚が遅すぎて捲れず中団のままで終わってしまっての10着大敗。このように位置が取れなかったり、ギアチェンジがある流れでは全く良さが生きません。
こういったタイプだけに、まずは位置が取れるかどうかがポイントになりますが、25福島牝馬Sや25都大路Sがそうだったように、決してテンのスピードが優れたタイプではないだけに行き切れるかも心配で(25都大路Sは馬柱の表示こそ3角3番手になっていますが、最序盤はスピードに対応出来ず6番手あたり)、特にトリッキーな東京芝1800mで中枠を引いてしまった暁には行き切れず包まれて終了、のパターンになる可能性は考えられますので、楽に位置が取れると考えるのは危険。また、位置が取れたとて大箱の1800m戦で他馬に合わせる競馬をすれば十中八九スロー瞬発戦に巻き込まれキレ負けすることになりますから、自らハナを奪って淀みない流れを作ることは必須に。ただ、浜中Jがそういう胆力の必要なラップを踏めるかは何ともですし、そういうラップを作ったとて直線が長い東京で我慢出来るかも心配に(前走は他馬が作る消耗戦であって、自分がペースを作るのとは訳は違う)。そう考えるとかなり立ち回りが難しいのが今回ですから、これで上位人気に支持されるのであれば評価は下げるべきでしょうね。変に内に入るならば極端外枠の方が競馬はしやすいはずなので外枠希望。
3-点:タガノエルピーダ
名繁殖タガノレヴェントンの仔で、兄弟にはタガノトネール、タガノエスプレッソ、タガノヴェローナ、タガノエスプレッソが。これら兄弟に共通するのはワンペース適性が高いと言うことで(なのでダート馬も多い)、そういう一族だけに本馬も粘着力があるワンペースタイプ。キャリア中で最良とも言える実績は23朝日杯FS3着ですが、このレースが前後半46.1-47.7秒の前傾戦を先行する粘着力を生かし切ったレースで、OP格唯一の勝ち鞍である24忘れな草賞が後続を離して飛ばした前3頭を除いても前後半59.6-59.8秒の平均ペースの流れですから、そういう流れでこそ良さが出ます。
一方で、大逃げ馬を除くとスローペースだった24ローズS、同じく大逃げ馬を除くとややスローペースだった24秋華賞、前後半47.6-45.5秒のスローラスト3F戦だった24嵯峨野S、同47.5-45.3秒のスローラスト3F戦だった25阪神牝馬Sでは軒並みパフォーマンスダウン。24ローズSや24秋華賞では若干距離が長いことも足枷になっていますが、基本的にペースが遅く終いの一脚が求められる展開では説得力のあるパフォーマンスは残せていません(2走前はスローラスト3F戦で勝っていますが、重い馬場で物理的な上がりラップが遅くなったことが奏功)。
そういうタイプだけに根本的に東京芝1800mの舞台が合っているとは言えませんし、特に終い勝負になりやすい牝馬限定戦では尚更。やや折り合いに不安があるタイプだけに、その点でもペースが落ちるのは嬉しくないですから、好走は望みづらいです。可能性があるとすれば同タイプのセキトバイーストが淀みない流れで引っ張ってくれるパターンで、そうなるとワンペース適性が生きますからチャンスアップ。23朝日杯FSの結果からも圏内に走って来ても不思議ないでしょう。折り合いを付けやすい内枠が取れれば尚良く、ペース次第で評価が上下することになります。
3-点:ラヴェル
23オークスで4着と健闘したものの、3歳秋以降は前向き過ぎる面が見られるようになり、折り合いを欠いて終いの脚を失くすと言う自滅レースの連続で一度も馬券に絡めず。ただ、その折り合い面に進境が見られたのが7走前(24マーメイドS)あたりからで、その24マーメイドSと続く24オクトーバーSは共に馬券外に終わりましたが、いずれのレースも矢作厩舎らしく休み明けにしては十分とは思えない調教量が問題になったもので、間隔を詰めた5走前(24エリザベス女王杯)と4走前(24チャレンジC)ではしっかり結果を出していますので、これらのレースが本馬の能力を正しく反映したものだと考えるべきですし、特に24チャレンジCについてはなかなかの好時計での完勝でしたので、かなり能力は高いです。
その後の3走では再び低迷していますが、3走前(25金鯱賞)は重馬場が全く合わなかったレースでしたので参考外としてOK(稍重だった24中山牝馬Sでも全く走れなかった)。2走前(25大阪杯)は超ハイレベル戦ですから11着でも0.7秒差ならば全く悲観する必要はないですし、残り1F地点では「あわや」と思わせる場面も作っていますから、これはむしろ力を示した結果。そして、前走(25ヴィクトリアマイル)はレース後に津村Jが「距離不足」と語った通りにマイル戦が合わなかったものですから、いずれのレースも敗因は明確で、これらの結果を過度に悲観する必要はありません。
ただ、今回も前走から1F延長するとは言っても1800mは十分な距離とは言えませんし、ペースが緩んで中距離戦らしい流れになったとて、大逃げ馬を除く2番手馬基準で前後半46.1-46.0秒の緩めのペースで直線の一脚が求められた前走で全く脚が使えなかっただけに、終いにキレ負けする恐れがあるのも嬉しくないところ。24エリザベス女王杯2着や牡馬相手のG3で完勝するなど能力自体は上位なのですが、今回も条件的には合わないだけに強気にはなれず。
と言うことで以上。
今週の2重賞は配当妙味がかなりありそうなのですが、この府中牝馬Sは特に荒れる匂いがしており、かなり確度の高い穴馬も出走しますので特に楽しみにしています。週頭にしばらくは勝負レースは停止すると言ったのですが、もしかすると思い切って勝負させてもらうかも知れません。「舌の根の乾かぬ内に前言撤回するのか」のご批判は重々承知なのですが、高回収のチャンスがかなり大きそうですから、このレースだけ許して下さい。すみません。
まあ最終的に勝負レースにするかは枠順と追い切り次第なので何とも言えませんが、それぐらい楽しみであることは間違いないです。お楽しみに。