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皆様、こんにちは。
本日は「宝塚記念」を分析します。
まずは舞台となる阪神内2200mコースについて考えます。


4角出口付近からスタートして内回りコースを一周するレイアウト。1角まで約530m(Aコース時)と十分な長さの直線が続くことから序盤はペースが上がる傾向が強いですが(特に多頭数戦)、阪神は1~2角のコーナー半径が小さくタイトなため、ここ(4~5F目)でラップが落ちることになります。2Fに亘ってラップが落ちると当然後続と前との差は小さくなって馬群が凝縮しますので、後ろからのプレッシャーを受ける前の馬は向正面に入ってペースアップ。内回りコースと言うことで仕掛けの意識は早めであること、3角からは下りレイアウトになること、これらの要素も相まって5F前後のロンスパ戦になるのがデフォルトのペースパターンです。
序盤の3Fが速くその後に緩む「急→緩→急」気味のラップ構成になりやすいこと、ロンスパ距離が長くなることで先行馬には相当な持久力が求められもしますから、基本的には差し馬優勢のコース。先行馬が残せるかは最序盤のペースを緩められるかに掛かっています。もし最序盤(1角に入るまで)のペースを緩められるなら「緩→緩→急」ですから、5Fロンスパ戦でも先行馬は対応可能。G1を戦う先行馬なら尚更で、この最序盤の攻防がレースの鍵を握ります。
これらを踏まえて過去5年のレースラップと3着内好走馬一覧を見ておきますが、レースラップについては阪神開催過去5年のものを掲載します。


過去5年中2年でスローペースとなっていますが、この2年はそれぞれ13頭立て、12頭立ての少頭数戦だったことで共通。阪神開催過去10年の内で16頭立て以上になった年は6年ありますが、その内の5年では前傾戦に。16頭立て以上の多頭数戦で唯一スローペースになった2015年は、典型的逃げ馬不在&その中でも行くと思われたカレンミロティックが出遅れると言う、なるべくしてなったスローペースですから、多頭数戦では基本的にペースは流れると考えて良いと思います。
そしてペースに関わらず動き出しは早くて、異例の4Fロンスパ戦だった2021年を除くと、4年全てで残り6~7F目からペースアップしていますので、コース傾向よりも早めのペースアップになっています。多頭数戦では「前半が速くて、後半の動き出しも早い」わけですから、先行馬にはかなりタフです。
過去10年において、2角5番手以内通過馬からは13頭の好走馬が出ていますが、15頭立て以下戦では【3-3-3-11】勝率15.0%(単回値49円)・複勝率45.0%(複回値149円)に対し、16頭立て以上戦では【3-0-1-31】勝率8.6%(単回値90円)・複勝率11.4%(複回値34円)と多頭数戦では好走率が大きく落ちることはこういった理由からで、頭数によってレースの性格は変わると頭に入れておくべきです。
多頭数戦ではタフさが要求されるレースですから、軽い質のレース実績はあてにならず、16頭立て以上だった阪神開催の宝塚記念において、前走上がり順位2位以内且つ上がり3Fラップ34.5秒以下で走破していた馬は【0-1-0-9】で、唯一の好走例は2023年2着スルーセブンシーズのみ。前走2000m以上戦に限れば【0-0-0-8】で好走例はなく、2016年3人気16着アンビシャス、2020年1人気4着サートゥルナーリア、2020年3人気6着ラッキーライラックの人気馬もこれに該当して圏外に沈みました。
逆に、前走で上がり3F34.5秒以下の脚は使ったものの上がり順位が3位以下且つ勝てていなかった馬(つまり速い上がりが出るレースが得意とは言えない馬)は穴の宝庫で、該当馬は【2-0-3-12】勝率11.8%(単回値171円)・複勝率29.4%(複回値187円)。2015年11人気3着ショウナンパンドラ、2016年8人気1着マリアライト、2018年12人気3着ノーブルマーズら穴を開けた面々は概ねこれに該当しますので、今年該当するボルドグフーシュとロードデルレイには注目ですね。
「タフさ」と言うことで言うと、この宝塚記念は上半期の締めくくりのレースであり、それまでに春のG1を戦って来た面々が集まると言う点で、如何に疲弊せずにここへ辿り着くかは重要な要素になります。
疲弊する理由としては「タフなレースを経て来たこと」が主なものになりますが、その最たるものはG1での好走にほかならず、前走国内G1で3着以内だった馬が【2-1-4-19】勝率7.7%(単回値31円)・複勝率26.9%(複回値68円)に対し、4着以下は【3-4-4-38】勝率6.1%(単回値50円)・複勝率22.4%(複回値131円)と成績に大差なし。通常G1で好走して来た馬=能力上位馬ですから、4着以下馬とは成績に大きな差が生まれるべきですが、そうではないところに如何にフレッシュさが大切になるレースであるかが表れています。ただ、前走国内G1で3着以内だった馬が全てダメかと言うとそうではなく、前走4人気以内だった馬は【2-1-3-10】に対し、前走5人気以下だった馬は【0-0-1-9】ですから、戦前には能力下位と見られながら好走した=出力を上げすぎてしまった馬が成績を落としている現実がありますので、こういうタイプは特に嫌ってみたいですね。また、前走4人気以内で好走した面々についても、4歳馬は【2-0-3-3】に対し5歳以上馬は【0-1-0-7】と顕著な差が出ていますので、つまり前走国内G13着以内で連続好走出来るのは前走4人気以内だった4歳馬だけと言うことになります。ただし、5歳以上馬で唯一好走した2019年キセキは、年内1走だったことが他との違いで(他7頭は全て年内に2走以上していた)、年内1走のみで疲労が大きくない場合に限っては例外と考えて良いでしょう。
今年の登録メンバーにこれに照らし合わせると、ベラジオオペラとロードデルレイは5歳馬ですが年内1走なのでデータクリア、前走天皇賞春を4人気以内で3着好走した4歳馬ショウナンラプンタもデータクリアとなりますが、ショウナンラプンタに関しては疲労が大きいだろう芝3200mを走った後、しかも今年は天皇賞春→宝塚記念が中5週と間隔が詰まりますから、同馬についてはやや懐疑的に見た方が良いかも知れません。
一方、疲弊していないのは前走国内G1凡走馬と非G1出走馬ですが、前走国内G1で4着以下だった馬の中でも前走9人気以内だった馬(戦前には勝負圏内にいると思われていた馬)は【3-4-4-23】複勝率32.4%(複回値189円)と複穴を出している傾向が。馬券に絡んだ11頭は全て年内2走以内且つG1は一度しか出走していないことで共通していますが、今年これに該当するのはシュヴァリエローズのみです。
前走非G1組については、前走連対馬が【2-2-1-5】勝率20.0%(単回値393円)・複勝率50.0%(複回値252円)。該当馬10頭全てが6人気以下の人気薄であることを考えると極めて好走率が高く、これは流石に偶然の産物とは思えません。一見格下と思われる非G1組ですが、ハイレベルなG1で戦って来ておらず疲弊していないことは考えている以上に優位性を持つと思われますので、思い切って該当馬を狙ってみることはありでしょうね。特に今年はこれまでより開催時期が早まり、天皇賞春組も大阪杯組もこれまでより間隔が詰まるわけですから尚更で。尚、今年の該当馬はチャックネイトだけです。
尚、阪神開催過去10年の1~3人気馬で、年内に2走以上していた馬は【4-1-2-13】複勝率36.8%であるのに対し、年内1走のみだった馬は【3-1-1-5】複勝率50.0%。また年内1走馬の中でも前走G1で2着以内だった馬は【3-1-1-0】と馬券外に終わったことがありませんから、今年これに該当しそうなベラジオオペラとロードデルレイには心強いデータです。
と言うことで本日は以上ですが、最後に面白い穴馬をご紹介して本日の締めとさせて頂きます。
この馬!
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最も重要な「疲弊していない」ことには該当しますし、持久力も持続力もあって阪神芝内2200mは合いそうですし、3走前がかなり強い内容で能力も通用。最大の問題はかなり乗り難しいので騎手を選ぶことですが、この騎手ならばベストではなくてもベターではあるかと・・・
明日は「函館SS」を分析します。午前2時更新です。