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皆様、こんばんは。
本日は「ヴィクトリアマイル」を分析します。
まずは舞台となる東京芝1600mコースについて考えます。


スタートは向正面右奥、2角立ち上がりあたりのポケットから。最初のコーナーである3角まで535m(Bコース時)もの長い直線が続くこと、序盤は下り基調になることからテンのスピードは上がりがちですが、長い直線を意識してコーナーに入る3~4F目にはやや息が入る傾向。4角出口から再加速する典型的な「急→緩→急」コースで、前半のペースが速くなるほどに、また中盤が緩くなるほどに差し有利になります。
ただ、前半3Fが流れ切らなければ「緩→緩→急」で前有利になりますし、前半も中盤も速ければ「急→急→急」で差し馬が道中で差を詰めるタイミングを失いますので中団より前が有利と、一筋縄では行かないのが難しいところ。特に前半3Fのペース読みは非常に重要で、ここを間違うと全ての予想の方向性が間違うことになりますので、展開予想が大変重要なコースになります。
これを踏まえた上で、過去5年のレースラップと3着内好走馬一覧を見てみます。


そして、それよりも重要なのが同条件である安田記念との比較。

これは過去5年における両レースのラップ比較。馬場差無視の少々乱暴な数字ではあるのですが、ここではレースの輪郭さえ把握すればOKなので、細かい点は無視。とにかく伝えたいことは、ヴィクトリアマイルは前半も中盤も安田記念よりタイトになりがち=実は案外タフなレースになる傾向があると言うこと。もっと言えば、ヴィクトリアマイルの後半3F平均ラップは34.0秒ですが、2020年と2021年はそれぞれアーモンドアイとグランアレグリアが2着に4馬身差を付けて上がりラップを押し上げており、実質的な上がりラップはもっと掛かっています(実質的には34.2秒が平均の後半3Fラップ)。これはしっかり把握しておきたいポイントです。
そして、過去10年における3分割ラップは以下の通り。

2015年はミナレットが後続を大きく離して逃げたラップで実態を表していませんので、2番手馬基準のラップを掲載。2020年と2021年は前述通りにアーモンドアイとグランアレグリアがいずれも2着を4馬身離したことでレースの上がりラップが速くなっていますが、実際には字面よりも上がりは掛かっていて、それを考慮したペースパターン判定を行っています。
ご覧のように過去10年中7年で、赤で示した「急→急→急」パターン、黄色で示した「緩→急→急」パターンになっており、つまり中盤が緩みにくい傾向が強いのがヴィクトリアマイル。中盤が緩まないことで差し馬は前との差を詰める機会を失いますので、極端に後ろの位置に居る差し馬は届きませんし、ヴィクトリアマイル週はBコース替わり1週目で外差し化が緩む傾向にもあるので尚更。

これは3角位置別成績ですが、やはり重心は前。

「前か後ろか」ともっとハッキリ分けるとより分かりやすくて、3角10番手以下から馬券に絡んだ8頭中3頭はヴィクトリアマイルには珍しく「急→緩→急」の典型的差し馬パターンになった2017年の好走馬ですから、ヴィクトリアマイルらしい中盤が緩まない流れになれば、ある程度の位置を追走しておくことは必須となります。
次に年齢別成績を見てみます。

基本的に年齢別成績なんてあまり意味がないデータだと思っていますが、能力が高い馬は早期に引退しやすい牝馬路線においては、年齢を重ねる毎に層は薄くなって行くものですし、サラブレッドは血統が更新されるに連れて基本的に毎年進化していくものでもありますから、4歳馬が最も優位性を持ちやすいのが自然の成り行きです。それは世代別の平均人気にも表れていますが、それに反するように年齢が上がる毎に成績が上昇しているのは不自然。この理由は「経験値」にあると思っていて、平均勝ち時計が1分31秒5の超高速決着且つ中盤の緩みが小さいレースと言うのは、4歳馬ではなかなか経験していないもの。稍重馬場下の「緩→緩→急」ペースで、勝ち時計が1分33秒9と極めて遅くなる異例の決着になった2017年に4歳馬が1~3着を独占したことは象徴的な例でしたが、この2017年を除いて馬券に絡んだ4歳馬9頭中6頭には、1分32秒9以下の決着になったマイル重賞で3着内好走歴を持っていたと言う共通項もありますので、4歳馬は高速決着のマイル重賞での好走歴の有無が一つのポイントになるでしょう。
続いて、枠番別成績。

中盤が緩みにくいレース傾向だけに、当然コーナーで外からは勝負に行きにくく、必然的に外を回される可能性が高い外目枠馬は不利に。Bコース替わりで多少でも内が生き返ることも後押しになっているのでしょう。6~8枠で馬券に絡んだ9頭中5頭は3人気以内に支持されていた能力上位馬で、4人気以下で6~8枠だった馬は【1-1-2-57】複勝率6.6%ですから、なかなか厳しいです。
最後に前走成績についてですが、まず改めて考えておきたいのはこのレースが牝馬限定戦だと言うこと。牡馬混合G1から見れば「格下」のレースですから、牡馬相手のG1で実績を残して来た馬、あるいは上位人気に支持されていた馬は「格上」と見做すべきです。
過去10年において、前走牡馬混合G1で3着以内好走馬or3人気以内に支持されていた馬は【4-1-2-5】勝率33.3%(単回値187円)・複勝率58.3%(複回値132円)と非常に強く、このレースには直結しにくい前走高松宮記念組を除くと【3-1-1-1】勝率50.0%(単回値140円)複勝率83.3%(複回値123円)まで成績が上昇しますので、今年唯一このデータに該当するステレンボッシュはリスペクトすべきです。
次に、過去10年の出走馬172頭中102頭が、馬券内好走馬30頭中20頭が「阪神牝馬S」「福島牝馬S」「中山牝馬S」出走馬ですから、この3レースについてしっかり精査しておきたいです。
「福島牝馬S」と「中山牝馬S」は小回り・内回りのツーターン戦で距離も1800m。東京芝1600mとは似ても似つかない条件ですし、求められる能力が全く異なりますから、これら2戦で好走出来る=その条件が合い過ぎている=東京芝1600mは全く合わないと言う考え方でOK。この2レースの3着内好走馬は【0-1-0-18】とほぼ消えていますから、該当馬は基本的に軽視でOK。逆に4~9着と適度に負けて来た馬が【1-2-1-8】複勝率33.3%(複回値895円)で複回値は18人気で3着好走したミナレットが引き上げた異常値としても、複勝率33.3%とそこそこ走っていますから、むしろ狙いは負けて来た面々です。
そして、過去10年で12頭の好走馬を出す王道路線の「阪神牝馬S」組にはより明確な線引きが可能で、まず左右の回りの違いこそあれど、大箱のマイル戦と言う点では東京芝1600mと似通っている阪神芝外1600mで行われるレースだけに、6着以下に負けていた馬は【2-0-0-32】と苦戦傾向。2頭の勝ち馬を出していますので無視は出来ませんが、2頭の内1頭は前年の勝ち馬ストレイトガールで東京芝1600mへの適性や通用する能力は証明出来ていただけに、ストレイトガールと同程度の実績がない限りは、基本的には軽視して良いでしょう。
そうなると5着以内と勝負になっていた馬に狙いは絞れるわけで、該当馬は【2-3-5-27】。そしてこの中で明確な線引きが出来て、あるデータに該当した馬が【1-3-5-11】複勝率45.0%(複回値140円)に対し、非該当馬は【1-0-0-16】複勝率5.9%(複回値23円)と顕著な差が出ています。阪神牝馬Sがスローラスト3F戦になりやすく、直線のスプリント能力が要求されやすいのに対し、ヴィクトリアマイルは基本的にタフで中盤以降でスピードを維持し続けるスタミナが必要であることからこの差が生まれていると考えれば、なるほどと合点が行きますし、決してオカルトデータでも無いと思います。
そのあるデータとはこれ
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と言うことで、本日は以上です。
次回は「新潟大賞典」を分析する予定ですが、余裕があればゲリラ的に本日行われる「エンプレス杯」の予想を公開しようかとも考えています。余裕があれば、ですが。