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皆様、こんばんは。
本日は「皐月賞」を分析します。
まずは舞台となる中山芝内2000mコースについて考えます。


内回りコースを使用。スタートは直線入口で、最初のコーナーまでは386mの十分な直線距離がありますが、スタート後100m少々でゴール前の急坂を迎えるためスピードに乗りにくいですし、その後も1~2角中間までは上りが続くことになりますから、逃げ候補馬がやり合うなどの特殊な事情がない限りは極端にペースは上がりにくいです。ただ、ペースが上がりにくい=馬群はある程度凝縮しますから、それがピークを迎える2角出口近辺からは被されることを嫌う先行馬がペースアップ→連動して逃げ馬がペースを上げざるを得ない状況が生まれますし、1~2角中間からは下りが始まることもあって早ければ2角出口の残り6F目から、概ね残り5F目あたりからペースアップするのがこのコースの特徴で、これは同じ内回りを使用する1800mや2500m、3600m戦でも同じです。特に多頭数戦で残り4F目までペースが上がらないことは多くなく、基本的に5~6Fのロンスパ戦になるコースだと考えて良いです。
脚質的な有利不利は他の芝2000mコースと大きな違いはありませんが、クラスが上がるに連れてテンのスピードが上がるために急→緩→急のペースパターンになりやすいですし、動き出しも早くなる傾向があるため下級条件戦の方が前有利になる傾向が。

これは中山芝内2000mにおける2角4番手以内通過馬のクラス別成績(13頭立て以上)ですが、ご覧のようにクラスが上がるに連れて好走率が落ちていることが分かります。高額条件レースにおいてはやや差し有利と言う認識で良いでしょう。
枠別成績については、コーナー4回だけに内枠有利傾向(新馬戦を除く13頭立て以上戦におけるデータ)。

これらを踏まえて、皐月賞の過去5年レースラップと3着内好走馬一覧を見てみます。


平均ラップ(大逃げ馬発生時、重馬場時除く)
12.3-10.9-12.0-11.9-12.4-12.0-12.1-11.9-11.6-11.8(59.4-59.4)
過去10年中5年でハイペース、4年で平均ペース、1年でスローペースとなっていますが、2024年は逃げたメイショウタバルが1000m地点で2番手を1.1秒離しての大逃げ、2018年は逃げ争いした3頭が後続を2.1秒離す先行と、ハイペースになった5年中2年は実質的に平均~スローペースでしたので、印象ほどにペースが上がっているわけではありません。かと言ってスローペースになったのも2022年だけで、その2022年とて前半1000m60.2秒で前後半差0.7秒ですから極端なスローペースではなく、基本的に18頭のフルゲート戦になるだけにそれなりのペースになりやすいと考えるべきでしょう。
大逃げ馬が居た3年と重馬場だった2023年を除いた平均ラップを上に掲載しましたが、5F目(2角出口付近)にやや緩んでいる以外は概ね平均的に速いラップを踏んでいますので、やはり「スローロンスパ」と言うコース傾向よりも、もう少し前半がタイトなラップ傾向になるレースだと認識しておきたいですね。
前半がそれなりにタイトですから差し馬有利になりそうだと考えるのですが、そこでまず2角位置別成績を見てみます。

過去10年の3着内好走馬30頭中20頭が2角8番手以内通過馬。案外極端位置の差し・追込み馬は活躍出来ておらず。タイトなペースを考えればもう少し走っても良さそうなものですが、極端位置の差し・追込み馬の好走を阻害している大きな要因が馬場にあります。
2020年

2021年

2022年

2023年

2024年

これは直近5年におけるゴール前のパトロール映像で、赤丸で囲んだ馬が馬券に絡んだ馬ですが、2021年を除くとかなり外を通していることが分かります。皐月賞は2月末・3月頭から続くロングラン開催の最終週に行われますし、開催中は雨が多い時期でもあって概ね馬場は荒れて内が死んでいる状態でレースが行われます。故に出来れば内は通りたくなく、逃げ馬ですらある程度外を回しますので、その後ろの馬達は連動して更に外を通すことに。中団以降に構える馬になるとかなりの外を通らされる距離的不利が極めて大きくなりますし、距離ロスを嫌って内に進路を採ったところで内は死んでいますから思うようには伸びず。従って、ある程度のペースで走って十分な余力が無い先行馬でも距離得を得ることで残せるというメカニズムで、だからこそある程度の位置が取れる馬が強いという結果になります。馬場が荒れやすいローカル競馬場の開催終盤でも良く見られる光景ですね。
過去10年で2角9番手以下から馬券に絡んだ馬は10頭存在しますが、その内の6頭はハイペースになった2023年・2020年・2016年の好走馬で、いわゆるズブズブ決着になった場合。それぐらいにペースが流れなければ極端位置の差し・追込み馬の好走は難しいと考えて良く、基本的にはある程度の位置が取れる馬が優位性を持つことになります。
ということは、前走時点である程度位置を取る競馬はしておきたいわけで、後方一辺倒のタイプの成績が悪いことはデータが証明しています。

これは前走3角位置別成績ですが、4番手以内馬が最多の7勝を挙げる一方、9番手以下通過馬は勝ち馬無し且つ好走率も低くなっていますので、位置が取れるポジション性能はかなり重視したいですね。
続いて、前走クラス別成績を見ておきます。

以前は主流ローテのひとつだった若葉Sですが、近年では西高東低の図式に変化が見られ、10年以上前に比べると関西馬の優位性はかなり薄れました。その時代の変化と共に若葉S組の成績は低下して行っており、直近5年では好走馬ゼロ。2021年にはアドマイヤハダルが3人気4着と健闘していますが、今年からスプリングSの開催時期が1週繰り上がったことに伴い、トライアルの中では最も間隔が短いレースとなっていますので、益々重要性は落ちていくのではないかと思われます。
となると好走馬はほぼ前走重賞出走馬に限られますし、過去10年の3着内好走馬30頭中26頭は前走重賞連対馬ですから、当たり前ですが好走のハードルは高いです。該当馬は単回値126円・複回値93円とそれなりに旨味もあるのですが、如何せん半数以上が該当馬ですから、もう少し絞り込みは必要です。
まず挙げられるのは、前項で書いた「位置が取れる馬」で、前走重賞連対馬で前走3角4番手以内通過馬は【7-4-5-23】勝率17.9%(単回値151円)・複勝率41.0%(複回値116円)と好走率は高く、旨味も十分。該当馬は過去10年中9年で1頭以上が馬券に絡み、2018年からは7年連続で2頭が馬券に絡んでいます。今年該当するのはヴィンセンシオ・クロワデュノール・ピコチャンブラック・ファウストラーゼン・マスカレードボールの5頭。
そして、前走重賞連対馬でもう一つ注目したいデータがこれ
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「FC2ブログランキング」の当ブログ紹介文内にデータを記載しています(20位ぐらい)
皐月賞は後半型の競馬になりやすいため自力脚を持っていることがアドバンテージになると言うことなのでしょうが、該当馬は【4-4-3-7】勝率22.2%(単回値123円)・複勝率61.1%(複回値151円)と激熱で、該当馬が存在した過去9年中8年で1頭以上が馬券に絡んでいます。該当馬は年平均1.8頭しか存在しない希少な存在で、その少ない数からこれだけの好走率を出しているのですから立派。今年の該当馬は2頭だけですね。要注目です。
と言うことで、本日は以上です。
次回内容、更新時期は未定です。