パドック推奨馬 
中京11R(愛知杯)
6ホウオウイクセル
1サトノセシル

6ホウオウイクセルは活気あって非常に素晴らしい状態
1サトノセシルは少しうるさいですが、懸念した輸送の影響はなさそう。馬体に丸みあって力感も十分

2マリアエレーナも悪くない。芝レースを見ているとインを立ち回れる馬が優勢。展開予想通りに進むならば前残り決着の可能性も十分。差し馬はインを差せる馬、内枠の馬を上位に考えた方が良さそうです



 重賞推奨馬 

中京11R:2マリアエレーナ(期待値レベル7)

まず馬場から。先週日曜は内5頭分を開けて外に進路を取るレースが目立ち、かなりの外差し化が予想されましたが、月曜になると日曜ほど顕著に内を開ける様子は無く、内を通した馬が上位入線することもしばしば。雨の影響がなかったことを考えると、また馬場造園課が内の路盤を押し固めたとしか考えられないですが、とにかく内外に大きな差は無いままに開催を終えました。金曜夜から明日お昼にかけての雨で馬場がどう変わるかは未知ですが、基本的には内外に大きな差はない前提で考えます。

次に展開ですが、典型的な逃げ馬不在。メンバー的にアイコンテーラーのハナが濃厚ですが、外枠に入りましたので、内でテンのスピードがあるアートハウス、マリアエレーナ、ビジンあたりが押し出されるようにハナを切ることも考えておきたいです。ただでさえ序盤のペースが上がりにくいコースだけに、そういうメンバー構成ならば前半1000mはスロー濃厚。後半は下りになる残り1000m辺りからペースアップしますが、ただ牝馬限定戦であること、MデムJや横山典Jのように緩いペースの際に思い切って動く騎手がほぼ存在しない(動くとすればルメールJぐらいですが、最内枠なので恐らく動き出すスペースがない)ことから動き出しはやや遅めになってラスト4Fのロンスパ戦濃厚。前半が緩いだけに、動き出しも遅いとなると当然先行馬有利。馬場的に差し馬にもチャンスはあると思いますが、それでも極端に後ろの位置ではしんどいでしょう。

 【2023 愛知杯】 
2マリアエレーナ
13アイコンテーラー
11ルージュエヴァイユ
10ルビーカサブランカ
3アートハウス
1サトノセシル
9サンテローズ
15アブレイズ
6ホウオウイクセル


本命2マリアエレーナ
以前は折り合い面に不安があり能力を発揮出来ないこともしばしばありましたが、昨夏あたりから折り合い面に進境を見せ始め、以降は9戦7好走。馬券外に終わったのは5Fロンスパ戦で先行馬には楽な流れではなかった京都記念と、序盤に致命的な不利があった天皇賞秋だけ。その前走では不利がありながらもシャフリヤールと0.1秒差、2走前には0.8秒差の圧勝を飾ったように、本格化した今では牝馬限定G3では明らかに格上の能力を持っています。
本馬はフットワークが伸びずピッチで距離を稼ぐタイプで、こういうタイプは機動力に優れているのでコーナーが急であるコースがベスト。また急坂で脚が鈍る傾向があって、OP・重賞に限ると平坦コースでは2戦2勝であるのに対し、坂コースでは【0-2-1-2】と甘さを見せていることから、小倉芝2000mのようなコースがベストであることに間違いはないのですが、4角出口が急な中京コースは大箱コースの中では本馬に向く舞台で、事実中京芝2000mでは3戦3好走。差し馬が上位を占めた昨年のこのレースでも僅差2着に好走していますから、坂コースを過度に気にする必要はないでしょう。ましてや、今回は展開利が見込める立場で、雨馬場を苦にしない優位性もあるのですから尚更。年末から坂路併用で計5本速い時計を出し仕上げにも抜かりはなさそうですから、勝ち切るまではともかく、連軸としての信用度は高いです

対抗13アイコンテーラー
2走前(アンドロメダS)が、前後半60.2-59.1秒のスローペースながら残り7F目から12.0秒以下のラップを連続すると言う先行馬にはかなりハードな流れ。事実、2~4着馬は11頭立ての3角7・10・8番手通過馬でしたが、その流れを逃げて5着と言う結果は評価が落ちるものではありません。それを証明したのが前走(中日新聞杯)で、このレースも前後半61.9-57.5秒のスローながら、ラスト5F目から11.3-11.1-11.2秒とかなり速いラップを刻み、ラスト1Fは12.5秒まで減速した流れ。4角13・16・11・10番手馬が1,4,5,6着を占めたように先行馬には楽な展開ではなかっただけに、着順以上に評価出来る内容だったでしょう。今回は前走以上に楽な展開が望めますし、今週は坂路自己ベスト時計を計時してデキも絶好となれば前走以上が期待出来る局面。馬場が外差し化しないかは非常に気になりますが、一発あっても不思議ない局面と思えます

単穴11ルージュエヴァイユ
キャリア中で2度の敗戦がありますが、フローラSに関しては中盤3Fに亘って12.5-12.6-12.8秒とかなり緩んだにも関わらず、馬群は縦長のままで逃げたパーソナルハイは3馬身差を保ったまま直線へ向かうと言う展開。前後半60.2-60.2秒と言う字面のペースよりも随分と前の馬に恵まれたレースでしたし、進路確保に手間取り脚を余した内容でもありましたので、あれは力負けではありません。従って実質的な敗戦はオークスのみで、アートハウスに0.3秒先着する6着なら上々。また、ハーツクライの系統らしくトモが甘く前輪駆動気味で未完成だったことも考えると、ポテンシャルは世代最上位クラスと考えて間違いありません。
秋に復帰してからはトモに力が付いてバランスが改善されて本格化。2戦共に着差は大きくないですが、いずれもスローラスト3F戦で2走前はレース上がりが11.3-11.2-11.2秒、前走は11.2-11.2-11.7秒と速くなって先行馬の競馬だった流れを展開無視で差し切っただけに着差以上に価値は高く、いずれもまだ余裕を感じる内容でもありましたので、OPでも十分に戦えると思わせました。
能力的にはここに入っても五分ですが、心配なのは初の長距離輸送になる点と、1週前に負荷を掛けた調教を行った後に「疲れが出た」と言うことで今週の追い切りが軽くなったこと。これらはやってみないと分からないだけに不安は大きく、その点で少し評価は落としました。血統的にも走法や馬体的にも道悪は問題ないでしょう

4番手10ルビーカサブランカ
1800m【1-1-2-7】に対し、2000~2200m【4-4-4-4】のスタミナ型牝馬。昨年の愛知杯を勝って以降は6戦5凡走と言う成績ですが、3,5,6走前は距離不足の1800m戦、4走前(マーメイドS)は勝負所で待たされた上に、ラスト3F全てで11秒台を刻んだラップが本馬には速すぎたと言う敗戦。2走前(エリザベス女王杯)は、圧倒的外有利馬場の中、終始インを回した馬場バイアス不利が堪えた敗戦、とそれぞれに敗因は明確。前傾戦で上がりが掛かった前走ではキッチリ巻き返しましたので、2000m超戦で上がりが掛かるレースになれば、牝馬限定戦ではいまだ能力上位です。今回は雨の影響で時計が掛かる馬場になることがプラスになりますが、スロー且つ動き出しの遅い展開になりそうで比較的上がりが速くなりそうな点はマイナス。扱いが難しいですが、軽ハンデとは言え良馬場でスロー4F戦だった昨年でも差し込めたわけですから、向かない展開に対しナーバスになる必要はないかも知れません

3アートハウス
まずは前走時の評価文を転載します。
「新馬戦と忘れな草賞がスローラスト3F戦。敗れたオークスがスロー4Fロンスパ戦。それだけに後半ラップの違いがオークスの敗因とも考えましたが、同じスロー4Fロンスパ戦のローズSで完勝を収めたことを考えると、恐らく好走後の反動が大きいタイプで、間隔が詰まったローテーションでは能力が発揮出来ないことが敗因だったのだと思います。事実、休み明けから全開の仕上げを施す中内田厩舎所属馬で、同厩舎所属馬の重賞成績は中12週以上時がベストで、2戦目は好走率が一気に落ちる傾向(複勝率で言えば41%→25%)。また中12週以上で重賞3着以内だった馬の2戦目は【1-1-3-8】と一気に成績を落とすと言う事実もあります。そんな中内田厩舎馬らしく前走は休み明けとは思えない仕上げだっただけに、キャリア中で最短となる中3週のローテは非常に心配。前走が古馬OP級のラップだっただけに消すまでには至りませんが、ここは期待よりも不安が先立つ局面ですので、あくまで相手の一頭という評価。ペースが速くなれば更に危ないです」
その前走(秋華賞)は、前後半59.7-58.9秒のスロー4Fロンスパ戦。好位追走のスタニングローズが勝ったように決して残せないペース、展開ではなかったですが、あれで残せずに7着サウンドビバーチェと接戦と言うのは明らかに能力を出せていない内容。やはり間隔が詰まった弊害が出たと考えるのが正解でしょう。逆に言えばベスト条件では無い中で5着ですから、牝馬限定G3ならば能力上位。ローズSで古馬OP級の時計で走破していることからも、ここで十分通用するだけの絶対能力は持っています。
今回は新馬戦を含めて3戦3勝の中12週以上の臨戦で、1週前にウッド6F自己ベストに近い時計を計時して仕上げにも抜かりない状況。更に展開利もあり、コース実績もあるとなると崩れることは考えにくい局面。ただ雨馬場は爪の形やレース振り、飛びがキレイなフットワークから判断するにかなりのマイナスに働きそう。良馬場ならもっと重い印にしましたが、道悪濃厚のここは評価を落とします

1サトノセシル
これまでレースの上がり3Fが35秒台以上だったレースでは12戦10好走であるのに対し、34秒台以下だったレースでは4戦4凡走。この戦績が示す通りに上がりが掛かる流れを得意とする馬で、近走の好凡走のほとんどはこれで理由付けが出来ます(唯一、レース上がりが35.4秒だった札幌記念で凡走したのは単純に相手が強力だった)。そういう意味では、ユニコーンライオンが速いペースで引っ張った前走とは違ってスロー濃厚で上がりが速くなりそうな点はマイナスですし、長距離輸送の経験がほとんどない馬だけに中京への輸送もマイナスにはなれどプラスにはならない材料に。前日からの雨で物理的に時計が掛かりそうな点はプラスですが、今回に関しては半信半疑と言わざるを得ません

9サンテローズ
既走馬相手の未勝利戦を楽勝した段階から間違いなくOPまでは出世すると思わせましたが、ここまで好凡走を繰り返して来たのは気性面に大きな課題を抱えることと、鼻出血が癖になっているから。特に前者に関しては深刻で、間隔を詰めると煮詰まってしまうのか激しく掛かって競馬にならないことがしばしば。ここまで中8週以内のローテでは3戦3凡走であるのに対し、中14週・24週・24週・37週と間隔を取ったレースでは4戦3勝で、新馬戦も含めると5戦4勝。十分な間隔を取ったレースで唯一の凡走となった3走前は鼻出血が敗因ですからノーカウント扱いで良く、実質的には4戦4勝です。それを踏まえると中7週で迎える今回は軽視しても良さそうですが、これまで間隔を詰めて凡走した3戦は全て好走後だったことがポイントで、凡走後に間隔を詰めるのは今回が初めて。そういう意味ではまだ好走の可能性はありますので、ポテンシャルの高さを評価して印は打ちたいと思います。ただイマイチだった追い切りからも、能力を100%発揮出来る可能性は低そう

15アブレイズ
本馬は揉まれ弱いので、いかに摩擦が少ない競馬が出来るかが鍵。近10走内で21中山牝馬S、21府中牝馬S、22福島牝馬S、22ターコイズSは終始馬群内の競馬で能力を発揮出来ないレースで、2走前(天皇賞秋)揉まれなかったもののは牡馬相手のG1なので情状酌量の余地ありの敗戦。これら5戦を除くと、「21メイS1着→21マーメイドS6着→22中山牝馬S2着→22ヴィクトリアマイル7着→22府中牝馬S5着」となりますから大崩れは無く、特にヴィクトリアマイルでは2着と0.3秒差、府中牝馬Sでは前後半46.1‐46.6秒の淀みない差し競馬を先行して先行馬最先着&3着とは時計差なしの5着ですから、G3レベルなら勝負になる存在です。従って大外枠は歓迎。2000m距離にはやや不安があるものの、2年前の当レースで4着ならナーバスになる必要はないでしょう。相手には必ず押さえたいです

6ホウオウイクセル
近走は馬柱を汚し続けていますが、5走前(桜花賞)は超高速馬場下のハイペースでマイル以下のスピードが問われたレースだけに適性が合わなかった敗戦。4走前(紫苑S)と3走前(秋華賞)は普通ではないレベルの出遅れが響いたノーカウントに近い敗戦。2走前(関越S)は骨折明けで約8か月ぶりの実戦と言う情状酌量の余地ありの敗戦。このように2~5走前はいずれも明確な敗因があり、適距離&非休み明け&ゲートほぼ五分(やや出遅れましたが)だった前走(新潟牝馬S)では久々の好走を果たしましたので、馬柱の印象以上に評価すべき存在です。その前走は次走エリザベス女王杯で7着健闘の勝ち馬と0.1秒差ならば悪くないですし、前走よりも負荷を上げた調教内容(動きもまずまず良かった)から上積みも見込めるとなれば、ここでも馬券の端に引っ掛かっても不思議ではありません。まだゲートが不安定な点は心配ですが、下から数えた方が早い人気に留まるならば、リスクには目を瞑って一枚押さえておきたいです

【買い目】
3連複
2-10,11,13-1,3,6,9,10,11,13,15(300円×18点)
以下、重ね買い
2-10,11,13-1,9(200円×6点)
2-10,11,13-3,10,11,13(600円×6点)



以下、消し馬の短評です。
ビジン
芝では4戦1好走。中京芝2200mらしく5Fロンスパ戦になって相応に上がりが掛かった矢車賞こそ2着好走を果たしましたが、2勝Cを勝てない勝ち馬に差された内容では芝重賞では戦えないでしょう。今回はあの時よりも動き出しが遅くなって、より終いの一脚が求められる競馬が予想されるのですから尚更。雨は見方になるでしょうし、50㎏のハンデも魅力ではありますが、それだけで態勢逆転とはならないでしょう

エリカヴィータ
オークスでは「GⅠですし、外からプレッシャーをかけられる位置で進める形になりました。繊細なところのある馬ですし、気を遣ったようで直線ではもう余力がありませんでした」、ターコイズSでは「直線で内にモタれていたし、外から他馬に来られると余計に逃げるような格好になりました」と言うレース後コメントが聞かれたように、近走では他馬を気にする面を見せるように。それだけに多頭数内枠はマイナスですし、ゲートの出が悪いことから思い切った競馬も出来ないとなると八方塞がり。かなりイマイチだった追い切りの動きから劇的な良化も認められず、ここは静観が妥当と思えます

ラヴユーライヴ
速い脚が使えない馬で、近走好走レースはラスト2-1Fで11.1-12.5秒と急減速した立雲峡Sと、同じく11.3-12.3秒と急減速したケフェウスSの2レース。雨で時計が掛かりそうな点は何よりも、スロー且つ動き出しが遅くなるだろう展開の重賞ではここまで急減速するとは考えにくいですし、馬体維持が課題になる馬だけに間隔が詰まったローテーションもマイナス

アンドヴァラナウト
3歳春よりは随分マシになりましたが、元々前向きさが強すぎて道中で力んでしまうタイプ。2走前は前後半46.1-46.6秒と流れ、また最内枠で終始前に壁が作れたことで折り合いがついて好走出来ましたが、ヴィクトリアマイルでは外枠で馬群に潜り込めずに道中は力んでしまって大敗。昨年の愛知杯では馬群内での追走だったものの、かなり緩い流れに行きたがって終いを失くし大敗。世代限定重賞だったローズS、直線強い向い風で圧倒的に先行馬有利だった秋華賞こそなんとかなりましたが、本質的に流れが緩くなる中距離戦はベストではないですし、今回は緩いペースが予想されるだけに尚更。また、前走では普段掛かる馬が妙に折り合っていたのは道悪で走りにくかったことが原因と思われ、勝負所から全く進んで行かなかった様子からも雨馬場はマイナスで、ここは不安ばかりが先立つ状況です。妙に体を大きく見せた追い切りの内容が不気味ではありますが、そこそこ上位人気に支持されそうならば消して妙味と思えます

フィオリキアリ
なかなか準OPを勝ち上がれませんでしたが、ほとんどのレースがやや距離不足の1800m戦でしたし、ほぼ全てのレースがスローで上がりが速くなったレース。近走の3勝C戦で唯一平均ペースで適距離の2000mだった五稜郭Sではキッチリ勝ち上がりましたし、同じく2000mで前傾戦だった札幌記念ではソダシやグローリーヴェイズに0.3秒差で、レッドガラン・ハヤヤッコ・ユーバーレーベンには先着する8着に健闘。2000m戦では侮れない能力を持っています。ただ、牡馬相手とは言え展開が向いた前走が0.7秒差の完敗で、サトノセシルとは0.4秒差。これらから牝馬限定戦に替わってもやや足りないかなと思えますので、怖さは感じつつもここは消します

リアアメリア
3走前(マーメイドS)では復調の兆しを感じさせましたが、苦手なスロー瞬発戦だった2走前はともかく、見せ場なく敗れた前走を見ると3走前の健闘は内有利馬場に恵まれたものと思えます。ゲート不安定な馬がこの枠では後方追走を余儀なくされそうですし、ここでは買える理由がありません