皆様、こんばんは。
本日は「天皇賞春」の3つの前哨戦(=「ダイヤモンドS」「日経賞」「阪神大賞典」)がどういうレースだったのか、それぞれで評価出来る馬・評価出来ない馬はどれだったのか、これらについて解説してみたいと思います。
では、早速参りましょう。
【ダイヤモンドS】
レースラップ
13.0-11.7-12.4-12.5-12.0-12.1-12.4-13.1-13.0-12.7-12.7-12.6-12.2-12.2-11.4-11.9-12.2
レースはグレンガリーが1周目のスタンド前地点で後続を4馬身、残り2000m地点では5馬身離す逃げ。従ってレースラップをそのまま鵜呑みには出来ません。ここでは逃げ馬が居なかった想定でのラップをレースラップとして、過去5年と比較してみます。

これは最初の2F+残り区間を3分割にしたものですが、最初の1400mは過去5年で最速、中盤5Fの緩みは標準的、後半5Fも標準的、と言うもの。前半の速さを考えると、中盤・後半で大きくラップを落としていない点で優秀なラップだと言えますので、例年と比べてもレベルが高いレースだったことが分かります。そして前半ラップが比較的速く、その後も極端な緩みが無かっただけに当然先行馬には苦しいラップで、差し・追込み馬が上位を占めることになりました。

そういうレース展開の中、4番手から押し切ったテーオーロイヤルは掛け値なしに強い競馬をしたと言えます。確かに2着以下馬のレベルには疑問符が付きますが、それでも残り1F以降はほぼ差を詰めさせていませんし、最後はやや流し気味で2馬身半差を付けたわけですから、「相手が弱かったから評価出来ない」と言う評価はやや的外れだと言えるでしょう。
ただ、2019年の勝ち馬ユーキャンスマイルは次走天皇賞春で5着敗退、2021年の2着馬オーソリティは次走天皇賞春で10着敗退、いずれもダイヤモンドS史上ではそれなりに高いパフォーマンスを見せた2頭が天皇賞春では結果を残せなかっただけに、これらの結果をどう考えるか、ですね。
3着トーセンカンビーナ、4着ヴァルコスについては展開が向いた上での完敗でしたので、特に評価出来る点はありません。
【日経賞】
レースラップ
6.9-12.0-12.6-12.6-12.7-13.4-13.4-12.8-12.3-12.0-11.7-11.2-11.8(63.6-59.0)
戦前の展開予想として以下のような文章を書いていたレース。
「展開ですが、先行馬が少ない組み合わせ。展開利を狙って突発的に逃げる馬が出る可能性もありますが、恐らくタイトルホルダーが押し出されるようにハナでしょう。タイトルホルダーが内を切って行くので外目枠ながらウインキートスやスマイルも楽に好位を取れそうで、これらが外目番手。隊列はあっさり決まりそうで前半はスロー濃厚。胆力があって戦術脳に優れた騎手が居れば早めに捲る馬が出て来ますが、ぬるま湯体質&流れを壊すことをNGとされる風潮がある関東騎手中心のレースならこんな流れでも動き出しは遅くなりそう(レースを動かす可能性があるとすれば田辺Jか横山武Jだけでしょう)。更に当日は強い向かい風(直線)が吹く予報でもありますので、行った行ったで決まる可能性が高いと見ます」
ウインキートスこそ一歩目で遅れて後方からになりましたが、その他は展開予想がドンピシャにハマると言う展開に。
細かく見ていくと、まず1000m通過が63.6秒のスローながら馬群は縦長になると言う、関東騎手中心らしい呆れるしかない序盤。
1周目スタンド前

その後もペースは上がらず、ほぼ誰も動かずに向正面へ。逃げたタイトルホルダーは断然人気&超スロー逃げにも関わらず、2番手の内田博Jが全くプレッシャーを掛けず常に1馬身のリードを取れると言う「どうぞ逃げ切ってください」と言わんばかりのペース的にも展開的にもかなり楽な逃げ。
向正面

また、1角以降は13.4-13.4-12.8秒と3Fにも亘って極端にペースが落ちたにも関わらず、後続から捲って行く馬は皆無。こんな状況ではタイトルホルダーが能動的にペースアップ出来るわけですから、当然のように動き出しは遅くなり、中山の中距離戦としては非常に珍しいラスト3F戦に。
重賞レベルでこんな競馬をすれば前が残るのは当然で、ほぼ1周目4角位置のままフィニッシュを迎えることになりました。

以前から関東騎手の消極性や戦術脳の欠如について散々書いてきましたが、G2でもこんなレースしか出来ないのですから呆れるしか無く、上位馬はモロに展開に恵まれたと言う結果でしたので、はっきり言って何の参考にもならない糞レースでした。
天皇賞春を考える上ではほぼ参考にならないレースでしたが、勝ち馬タイトルホルダーにはひとつだけ言えることがあります。
これ
↓ ↓

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【阪神大賞典】
レースラップ
13.0-12.0-12.6-12.6-12.9-12.7-12.3-12.7-12.6-12.6-11.9-11.6-11.6-11.5-12.4(63.1-62.9-59.0)
良馬場過去5年の3分割ラップ(1,000m×3)平均は「61.5-62.6-60.0秒」序盤にそこそこ流れつつ、ラスト5~6F目からのロンスパ戦になって高いスタミナ性能が問われるのが阪神大賞典の特徴です。ただ、今年はキングオブドラゴンがハナを奪うと競る馬もおらずあっさりと隊列が決まり、前半1000mが63.1秒とかなり緩い流れに。中盤ではやや動きがあったものの62.9秒なら平均的で、結果後半5Fラップが例年よりも速くなることに。ラスト5F目からペースアップしているのでそれなりにスタミナ値を問われることにはなりましたが、それでも前半~中盤があそこまで楽では例年ほどにスタミナ値は問われませんでしたし、基本的には前で立ち回った馬に優位性が生まれることになりました。
まず評価出来るのは、向かない流れを3角後方2番手から差し込んだ4着マカオンドール。3~4角中間点でディープボンドの後ろを付いて行くために意識的に仕掛けを遅らせた面もありましたので、あの向かない流れでも出し切っていれば少なくとも3着はあったでしょうし、前半がもっとタイトだったならば勝ち負けになっていた可能性は高いです。
そしてもう一頭評価したいのがこの馬
↓ ↓

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タフな流れ、馬場でこそ能力を発揮出来る馬。阪神大賞典で自身が使った上がりタイムはキャリア史上で抜けて速いものでした。これらから分かるのはかなり力を付けていると言うこと。着順に加えて、こういう面でも評価出来る内容でした。
明日はダービートライアル「青葉賞」について考えます。
本日は「天皇賞春」の3つの前哨戦(=「ダイヤモンドS」「日経賞」「阪神大賞典」)がどういうレースだったのか、それぞれで評価出来る馬・評価出来ない馬はどれだったのか、これらについて解説してみたいと思います。
では、早速参りましょう。
【ダイヤモンドS】
レースラップ
13.0-11.7-12.4-12.5-12.0-12.1-12.4-13.1-13.0-12.7-12.7-12.6-12.2-12.2-11.4-11.9-12.2
レースはグレンガリーが1周目のスタンド前地点で後続を4馬身、残り2000m地点では5馬身離す逃げ。従ってレースラップをそのまま鵜呑みには出来ません。ここでは逃げ馬が居なかった想定でのラップをレースラップとして、過去5年と比較してみます。

これは最初の2F+残り区間を3分割にしたものですが、最初の1400mは過去5年で最速、中盤5Fの緩みは標準的、後半5Fも標準的、と言うもの。前半の速さを考えると、中盤・後半で大きくラップを落としていない点で優秀なラップだと言えますので、例年と比べてもレベルが高いレースだったことが分かります。そして前半ラップが比較的速く、その後も極端な緩みが無かっただけに当然先行馬には苦しいラップで、差し・追込み馬が上位を占めることになりました。

そういうレース展開の中、4番手から押し切ったテーオーロイヤルは掛け値なしに強い競馬をしたと言えます。確かに2着以下馬のレベルには疑問符が付きますが、それでも残り1F以降はほぼ差を詰めさせていませんし、最後はやや流し気味で2馬身半差を付けたわけですから、「相手が弱かったから評価出来ない」と言う評価はやや的外れだと言えるでしょう。
ただ、2019年の勝ち馬ユーキャンスマイルは次走天皇賞春で5着敗退、2021年の2着馬オーソリティは次走天皇賞春で10着敗退、いずれもダイヤモンドS史上ではそれなりに高いパフォーマンスを見せた2頭が天皇賞春では結果を残せなかっただけに、これらの結果をどう考えるか、ですね。
3着トーセンカンビーナ、4着ヴァルコスについては展開が向いた上での完敗でしたので、特に評価出来る点はありません。
【日経賞】
レースラップ
6.9-12.0-12.6-12.6-12.7-13.4-13.4-12.8-12.3-12.0-11.7-11.2-11.8(63.6-59.0)
戦前の展開予想として以下のような文章を書いていたレース。
「展開ですが、先行馬が少ない組み合わせ。展開利を狙って突発的に逃げる馬が出る可能性もありますが、恐らくタイトルホルダーが押し出されるようにハナでしょう。タイトルホルダーが内を切って行くので外目枠ながらウインキートスやスマイルも楽に好位を取れそうで、これらが外目番手。隊列はあっさり決まりそうで前半はスロー濃厚。胆力があって戦術脳に優れた騎手が居れば早めに捲る馬が出て来ますが、ぬるま湯体質&流れを壊すことをNGとされる風潮がある関東騎手中心のレースならこんな流れでも動き出しは遅くなりそう(レースを動かす可能性があるとすれば田辺Jか横山武Jだけでしょう)。更に当日は強い向かい風(直線)が吹く予報でもありますので、行った行ったで決まる可能性が高いと見ます」
ウインキートスこそ一歩目で遅れて後方からになりましたが、その他は展開予想がドンピシャにハマると言う展開に。
細かく見ていくと、まず1000m通過が63.6秒のスローながら馬群は縦長になると言う、関東騎手中心らしい呆れるしかない序盤。
1周目スタンド前

その後もペースは上がらず、ほぼ誰も動かずに向正面へ。逃げたタイトルホルダーは断然人気&超スロー逃げにも関わらず、2番手の内田博Jが全くプレッシャーを掛けず常に1馬身のリードを取れると言う「どうぞ逃げ切ってください」と言わんばかりのペース的にも展開的にもかなり楽な逃げ。
向正面

また、1角以降は13.4-13.4-12.8秒と3Fにも亘って極端にペースが落ちたにも関わらず、後続から捲って行く馬は皆無。こんな状況ではタイトルホルダーが能動的にペースアップ出来るわけですから、当然のように動き出しは遅くなり、中山の中距離戦としては非常に珍しいラスト3F戦に。
重賞レベルでこんな競馬をすれば前が残るのは当然で、ほぼ1周目4角位置のままフィニッシュを迎えることになりました。

以前から関東騎手の消極性や戦術脳の欠如について散々書いてきましたが、G2でもこんなレースしか出来ないのですから呆れるしか無く、上位馬はモロに展開に恵まれたと言う結果でしたので、はっきり言って何の参考にもならない糞レースでした。
天皇賞春を考える上ではほぼ参考にならないレースでしたが、勝ち馬タイトルホルダーにはひとつだけ言えることがあります。
これ
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【阪神大賞典】
レースラップ
13.0-12.0-12.6-12.6-12.9-12.7-12.3-12.7-12.6-12.6-11.9-11.6-11.6-11.5-12.4(63.1-62.9-59.0)
良馬場過去5年の3分割ラップ(1,000m×3)平均は「61.5-62.6-60.0秒」序盤にそこそこ流れつつ、ラスト5~6F目からのロンスパ戦になって高いスタミナ性能が問われるのが阪神大賞典の特徴です。ただ、今年はキングオブドラゴンがハナを奪うと競る馬もおらずあっさりと隊列が決まり、前半1000mが63.1秒とかなり緩い流れに。中盤ではやや動きがあったものの62.9秒なら平均的で、結果後半5Fラップが例年よりも速くなることに。ラスト5F目からペースアップしているのでそれなりにスタミナ値を問われることにはなりましたが、それでも前半~中盤があそこまで楽では例年ほどにスタミナ値は問われませんでしたし、基本的には前で立ち回った馬に優位性が生まれることになりました。
まず評価出来るのは、向かない流れを3角後方2番手から差し込んだ4着マカオンドール。3~4角中間点でディープボンドの後ろを付いて行くために意識的に仕掛けを遅らせた面もありましたので、あの向かない流れでも出し切っていれば少なくとも3着はあったでしょうし、前半がもっとタイトだったならば勝ち負けになっていた可能性は高いです。
そしてもう一頭評価したいのがこの馬
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タフな流れ、馬場でこそ能力を発揮出来る馬。阪神大賞典で自身が使った上がりタイムはキャリア史上で抜けて速いものでした。これらから分かるのはかなり力を付けていると言うこと。着順に加えて、こういう面でも評価出来る内容でした。
明日はダービートライアル「青葉賞」について考えます。