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皆様、こんばんは。

本日は「スプリンターズS」について本格的に分析行きます。
まずは、舞台となる中山芝1200mコースについて考えましょう。
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スタートは外回りコースの2角を曲がり切ってすぐの位置。3角までの距離は257.1m(Cコース時)ですが、外回りコースの場合は3~4角中間点までフォルスストレートのようなレイアウトですから、実際にはもう少し長く直線が続くイメージ。またスタートから約500mに亘って下りが続きますので、必然的にテンからペースは上がる傾向。G1になると尚更で、馬場状態に関わらず前半3Fは33.0秒前後のラップを刻むことになります。

ここで過去5年のレースラップを掲載しておきます。
SS5
2017年は前半3Fラップが33.9秒と極めて遅くなっていますが、前半3Fの方が後半3Fよりも遅い例はスプリンターズSがG1に昇格した29年間で2年しかないレアケースですから、事故のようなもの。過去29年中24年で前半3Fは33.5秒以下を記録していますので、コース傾向通りに序盤からハイラップを刻むと考えて間違いありません。

「ペースが速くなると差し馬有利」そう思う方は多いと思いますが、それは半分正解で半分間違い。ペースと言うものはそう単純なものではなく、距離でも考え方は異なりますし、長い距離になって来ると間のラップの推移も重要になります。
芝1200m戦で言うと、基本的には基礎スピードが高い馬しか出走して来ない距離ですから、速いラップを刻んでも簡単には失速しませんし(上級条件戦では特に)、序盤に後続との物理的な差を作ることが出来ると言う意味で前半からペースを「上げやすいコース」は先行馬有利。中京コース以外は直線距離が360m以下と長くないことも先行馬をアシストします。

SS4
これは「2勝C~重賞」「12頭立て以上」に限った脚質別占有率(新潟芝1200mはレース数が11しかなく、データの信用性に欠けますので除外しています)。下りスタート且つ直線が短い3コース(中山、阪神、小倉)では先行馬の活躍が目立ち、逆にスタート後が上りで全コースの中で最もペースが上がりにくい京都芝内1200mで最も差しが決まっていることは、芝1200mの考え方を如実に表していると言って良いでしょう。

中山開催過去10年において、真ん中より後ろである4角9番手以下馬は【4-0-4-64】勝率5.6%(単回値19円)、連対率5.6%、複勝率11.1%(複回値38円)と不振で、馬券に絡んだ8頭中3頭は前半3Fより後半3Fの方がラップが速くなったと言う異質ラップを踏んだ2015年と2017年のもの。1頭は4位入線も上位馬降着で繰り上がり3着になった2010年のサンカルロ。まともなペースで純粋に馬券に絡んだ馬は4頭まで減りますので、やはり真ん中から前で立ち回れる馬が圧倒的に優勢です。

「そうは言っても昨年は4角15,16番手の2頭が馬券に絡んだではないか」と思われると思いますが、それに関しては昨日詳しく書いた通り(月曜日限定記事なので、ここで詳しくは書きませんが)。昨年の出来事もロジカルに語れる理由があるのです。

続いて、過去5年の3着内好走馬一覧を見ておきます。
SS6
中山開催過去10年の3着内好走馬30頭中21頭が、前走で「セントウルS」「キーンランドC」「北九州記念」を走っていた馬。距離短縮で臨んだ馬は6頭馬券に絡んでいますが、4頭は前半3Fラップより後半3Fラップの方が速かった異質な年のもの(スプリンター以外でも対応しやすいペース)で、1頭は4位入線から繰り上がりで3着になったサンカルロ。基本的にはスプリント戦を戦って来た馬が優位性を持つと考えるべきで、まずペースが上がるだろう今年のメンバーなら尚更です。

前走芝1200m戦使用馬に限ると、前走6着以下から馬券に絡んだ馬は2頭のみ(前走海外戦出走馬は除く)。2015年以降では【0-0-0-35】ですから、直前のスプリント戦で大敗している馬の巻き返しは難しそうです。
また、同じく前走芝1200m戦使用馬に限ると、前走4角9番手以下馬は【1-0-1-33】と不振。上でも書いたように、ある程度の位置で立ち回れる馬を優先し、極端な差し馬は評価を下げるのが正解です。

続いて人気別成績
SS7
1~3人気馬は【9-6-1-14】勝率30.0%(単回値138円)、連対率50.0%、複勝率53.3%(複回値103円)と堅調。過去10年どころか20年遡っても上位3人気馬が揃って馬券を外した例はありませんし、20年中11年で2頭以上が馬券に絡んでもいますので、上位人気馬には一定以上のリスペクトは必要です。

一方で、中山開催過去10年において6人気以下馬が13頭も馬券に絡んでいる事実もありますので、上手にピックアップして上位人気馬と組み合わせたいところ。
6人気以下で馬券に絡んだ13頭中11頭は1~5枠に入っており、9頭は馬番6番以内馬でした。昨年のような外差し馬場でない限りは、ロスなく回って来られる内枠は大きなアドバンテージになります。

と言うことで本日は以上。

昨日、今日で書いた内容を予備知識として予想に入って行きたいですが、上位人気馬が堅調と言う強力なデータがある限りは、穴馬を効率的にピックアップしなければ馬券での勝利は無いでしょう。
「当日6人気以下」「前走3大前哨戦で5着以内」「前走4角8番手以内」が穴馬好走の条件であることは既に書いた通りですが、これだけだと【0-2-4-26】複勝率18.4%(複回値144円)で儲かりはしますが好走率はやや低め。ただ、「ある条件」を組み合わせると【0-1-4-14】複勝率26.3%(複回値225円)まで精度アップ。更にその馬が当日馬番6番以内に入ると【0-1-3-6】複勝率40.0%(複回値368円)にまで上昇し、2010年に2位入線したものの降着したダッシャーゴーゴーを馬券内好走とカウントすれば複勝率は50.0%になります。
今年現時点で資格を持っている馬は1頭しかおらず、この馬が6番以内に入れば・・・

と言うことで、「ある条件」とその有資格馬を記載しておきますね。
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明日は「スプリンターズS」の有力馬分析(前編)を行います。
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