皆様、こんばんは。

本日は今週もう一つの重賞である「阪急杯」について分析します。
まずは舞台となる阪神内1400mコースについて考えましょう。

阪急杯1

阪急杯2
阪神内1400mは2角ポケットからのスタート。3角まで約458m(Aコース時)と十分な距離があるため序盤からペースは上がりがちで、コーナーに入ってからは下り勾配になることから一貫して速いペースを刻む傾向にあります。緩急の無い流れになることからしばしばダート馬が激走するようにワンペース型の馬に向いたコース。距離的にスプリンターとマイラー双方が参戦出来る距離ですが、ペースパターン的にどちらかと言えばスプリンターを重視すべきコースとも言えるでしょう。

阪急杯3
過去5年平均ラップ
12.2-10.7-11.2-11.4-11.4-11.5-12.0(34.1-34.9)

上の表は「阪急杯」過去5年のレースラップですが、コース傾向通りに一貫して速いラップを踏み、2F目から段階的に減速して行く流れ。これは「高松宮記念」の前哨戦で、同舞台の「阪神C」よりもスプリンターの参戦が多い(マイラーの参戦が少ない)ことも一因でしょう。
阪急杯6
従って基礎スピードの高さは必須ですし途中で息が入るポイントがありませんので、やはりスプリンター向きのレースと言えるでしょう。

阪急杯4
こちらは過去5年の3着内好走馬一覧ですが、開幕週のレースながら(今年は変則日程のため3週目の開催)序盤から流れて減速ラップを踏む流れになりますから当然差し馬が優勢で、3着内好走馬15頭中9頭は4角7番手以下通過馬でした。3角3番手以内の通過で馬券に絡んだ馬は4頭居ますが、ミッキーアイル(前年高松宮記念3着)、ダイアナヘイロー(3走前北九州記念勝ち)、レッツゴードンキ(前年高松宮記念2着)と4頭中3頭にはレベルの高いスプリント戦の実績がありましたので(残るブラヴィッシモにしても初重賞挑戦で、過去の好走歴は全て1400m以下)、一介の先行馬では好走は難しいと言えるでしょう。

次に人気別成績を見ておきます
阪急杯5
過去5年の3着内好走馬15頭中9頭は4人気以下馬。2017年には3連単248万馬券、2019年には同20万馬券が出ているように人気薄馬の台頭が目立つレース。人気薄の台頭=人気馬の凡走でもあるわけですから(3人気以内馬は【1-2-3-9】勝率6.7%/複勝率40.0%、単回値25円/複回値66円)、まずは走れる人気馬なのかそうでないのかを見極めることが必要となります。そこで凡走した人気馬9頭の共通点を探ってみると、7頭には共通点がありました。

【2020年】3人気7着クリノガウディー⇒前走東京新聞杯(前後半46.3‐46.7秒)3着
【2019年】1人気7着ミスターメロディ⇒前走2018阪神C(同34.8-34.9秒)2着
【2019年】3人気6着ダイアナヘイロー⇒前走2018阪神C(同34.8-34.9秒)1着
【2017年】1人気8着シュウジ⇒前走2016阪神C(同34.9‐35.4秒)1着
【2017年】2人気9着ロサギガンティア⇒前走2016阪神C(同34.9-35.4秒)5着、2015阪神C(同34.8‐34.8秒)1着
【2016年】1人気6着レッツゴードンキ⇒前走マイルCS(同47.1‐45.7秒)6着、昨年桜花賞(同50.0‐46.0秒)1着
【2016年】3人気4着ミッキーラブソング⇒前走京都金杯(同46.8‐46.2秒)2着


これら7頭は直近で同舞台である「阪神C」を好走するか、その他重賞で好走したことにより人気になったことが分かりますが、そのいずれもがスローペースか前後半差0.5秒差以内の平均ペースのレースでした。序盤からペースが上がってスプリント寄りの流れになる「阪急杯」とは真逆と言って良い流れですから、こういったペースパターンで好走した馬を信頼することは危険と言えます。

と言うことで、ここまでの内容からキーワードになるのは「スプリント適性」。人気馬を切るにしても人気薄をピックアップするにしても、スプリント適性の有無を重視して取捨選択を決めたいですね。

そういう意味でやや軽視したいのがこの人気馬
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中央競馬ランキング
「人気ブログランキング」の当ブログ紹介文内に水曜日限定で馬名を記載しておきます(15位前後)
前走はやや高速状態の馬場状態で前後半34.0‐34.3秒。ペースはやや緩く大きく減速しないままにフィニッシュしましたので、どちらかと言えばマイラー寄りの適性が要求されたレース(上位馬は全てマイラー)。「阪急杯」には繋がりににくいレースでしたから、過大評価は禁物です。それ以前の好走レースも「47.1‐45.1秒のスロー」「47.8‐46.3秒のスロー」「47.0‐47.1秒の平均」「35.5‐34.2秒のスロー」「48.4‐47.5秒のスロー」と全て緩い流れのレースばかり。1800~2000mのレースとは言え、前後半差1.0秒以上の前傾戦では2戦2敗という事実を考えても「阪急杯」への適性という意味では大いに疑問符が付きます