皆様、こんばんは。

本日は「天皇賞春」の有力馬分析を行いましょう。対象は7頭です。
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トーセンカンビーナ
持続系差し馬。トップスピードのレベルは並以下である代わりに良い脚を長く使えるのが特徴で、概ねラスト1Fの減速地点で差し込むのが同馬の特徴です。2~6走前の条件戦を振り返ると、勝利した3戦ではラスト2-1Fの減速幅が「1.1秒」「0.7秒」「0.9秒」だったのに対し、2・5着に敗れた2戦では「0.1秒」「0.3秒」と減速幅が小さかったように、結果はあくまで流れ次第という他力本願なところがあります。前走阪神大賞典はラスト7F目から11.6-11.7-11.9-11.9-11.8-12.0-12.5秒と言うラップを刻んだ差し馬に利があった流れ。ラスト2Fに亘って12秒台のラップを刻んだようにトップスピードのレベルが低い同馬にはお誂え向きの流れで、あそこまで流れに恵まれる重賞はそうそうありませんので、前走を過大評価することは大変危険です。天皇賞春では中盤が緩んでラスト4F目からペースアップする形が主流であることは月曜日に書いた通りですが、ラスト1Fの平均ラップは12.1秒(過去10年)でラスト2-1Fの減速幅の平均は0.5秒。基本的には極端に減速しないレースですから同馬が差し込める流れではないです。また、十中八九普通ではないレベルで出遅れて位置が取れない点も大きなマイナスです。かなり前が引っ張るようなペース想定でなければ評価は下げたいのが正直なところ

ダンビュライト
5走前までは安定しないスタート&内枠配置が多かったことにより、中団内目追走を強いられるレースの連続。スッと反応出来ない馬だけにこの位置からでは勝負所で待たされることがしばしばありましたし、トップスピードのレベルが高くないので消耗ラップにならない限りは直線で差し込むことも出来ず、こういった理由から伸びずバテずの中途半端な着順を繰り返す競馬に終始しました。ただ近走はスタートが安定し始めたことで弱点を補える競馬(=前で受ける)が出来るようになり、成績も上昇傾向。大阪杯では大外枠から先手を取れ切れず終始外回しの競馬になった分の敗戦、JCはレース前からテンションが高く直線入口で早々に失速してしまう敗戦と近走のG1では結果が残せていませんが、ハナを切った京都大賞典、実質ハナを切ったような形の京都記念では共に持続力の高さを活かして好走出来ており、ここに来て「自分の型」が確立出来た感はあります。こういう先行させて渋太い馬は天皇賞春で穴を開けるタイプ(カレンミロティックやビートブラック)と言えて、内枠でも引いて4角早め先頭の形を採れればかなり面白いと思います。また同馬は京都の下りを利して加速するのが上手で、京都記念では最速11.1秒地点で抜け出すという他の競馬場ではまず考えられないレースが出来ており、現に京都コースは全て重賞で【1-1-1-1】。唯一の馬券外は菊花賞5着ですから、なかなかの巧者と言えるでしょう。ただし、今回は中22週の休み明けに加えて、去勢明け初戦。これらは常識的には狙えない材料ですから、印を回すとしても重い印にならないというのが冷静な評価でしょうか

シルヴァンシャー
反応は鈍いもののスピードに乗ってからは長く良い脚が使える馬で、4走前から3連勝。その中には
メールドグラースに完勝したレースもあり、後半性能の高さは重賞レベルです。そういった背景から戦前に一定以上の評価をしていた前走京都大賞典では長休明け、初重賞挑戦と厳しい条件ながら3着好走。しかも内有利馬場で前が残ったレースを4角大外回しで差し込んだものですから着順以上の評価が必要で、負けて強しの内容だったと思います。ただし今回はG1戦。前走と同じ7か月振りのローテでも前走より一段階以上相手は強くなりますし、3200mの距離も息持ちという意味ではネック(距離自体はこなせると思います)。ゲートが不安定で後ろから行く脚質なのに勝負所の反応が鈍いためブレーキを掛けないで済む外回しをせざるを得ない脚質ですが、G1でそういう大味な競馬が通用するのかも甚だ疑問です。能力は最大限に評価したとしても、冷静に考えるなら手を出しづらいというのが正直なところですね。尚、過去20年の古馬芝G1において、中28週以上の臨戦だった馬は【1-4-0-43】。馬券に絡んだ5頭中4頭はG1連対歴があった馬(3頭はG1馬)でした。また過去30年の菊花賞・天皇賞春において3着内好走した馬の最長間隔は1997年サクラローレルの中17週(次点で2018菊花賞フィエールマンの中15週)。中19週以上は【0-0-0-13】と好走例なしというデータが存在しています

フィエールマン
大前提として考えておきたいのは大箱コースの軽い馬場向きの馬だということ。大箱コースでは全勝なのに対し、2着以下に敗れているレースは全て小箱コースというのは紛れもない事実です(国内戦のみ)。それを考えると、帰国初戦&不得意な中山内回りコース&軽くはない馬場だった有馬記念で厳しい流れを早め進出から粘り込んだ内容は敗れたとはいえ大いに評価して良い内容。あのレースと同じだけ走れればここでは勝てる計算であることに加えて、今回は「小箱→大箱のコース替わり」「やや時計の掛かる馬場→やや時計の速い馬場」「帰国初戦→従来通りに間隔をたっぷり取ったローテ」と好転する条件が多いことを考え合わせると無理に逆らう必要はないのではないかと思います。菊花賞は前半からペースが上がらず異例のラスト2F特化戦になったこと、昨年の天皇賞春は中盤5Fが過去10年で最も緩かったことから本質的なスタミナを問われるようなレースになった場合にボロが出ないとも限りませんが、昨年はグローリーヴェイズとの叩き合いでゴールが近づく毎にジリジリ差を開いていましたから、その心配は杞憂に終わる可能性が高そうです

エタリオウ
以前から使える脚が限定的ということは再三書いてきたわけですが、その特徴は今も変わらず。自ら動いては早々に脚が上がってしまうレースの連続で、2019日経賞・2019天皇賞春・2019京都大賞典・2020日経賞は全て同じパターンでの敗戦でした。3走前のJCでは3歳時に装着していた浅いブリンカーに戻し先行策を示唆したことで復活走を期待しましたが、結局先行しても終いが甘くなることには変わりがなかった敗戦。あの敗戦でほとんど八方塞がりの状態になってしまいました。今後好走の可能性があるとすれば、前半からスローで進み続けて前と後ろの距離差が小さい状態で直線に向くスローラスト特化戦のみ。2019菊花賞が正にこのパターンですが、そういう流れなら末脚の絶対量の無さを隠すことが出来ます。ただG1においてそういう流れになることはそうそうありませんし、ましてや3角からの下りでペースアップしやすい天皇賞春でそれを期待するのは無謀と言えるでしょう

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これまでは末脚の絶対量不足を露呈するケースが多く、好走パターンの多くはスローラスト3F戦でした。ただ年齢を重ねるごと(特に昨夏から)にその弱点は改善傾向にあり、前走ではラスト5F目から11.3秒と速いラップを刻む5Fロンスパ戦(正確には3角過ぎで一旦息が入る再加速戦ですが)を自身は残り800mから動き出して余裕十分に差し切る強い競馬で完勝しました。あの競馬が出来るならかなり幅が広がったと言えて、3角の下りから動き出しやすい天皇賞春に向けても目途は立ったと言えるでしょう。ただこれまで大箱コース【0-1-0-4】に対し小回りコース【5-2-2-5】と小回り巧者感は否めませんし、京都外回りは【0-0-0-2】。また間隔を開けた際に良績が残る基礎体力不足馬で、そんな同馬にとっての中4週(しかも長距離輸送付)という点もマイナス。G1では4戦4凡走で底力面にも疑問符が付くとなるとどうもマイナス要因の方が多いように感じられ、それでいて上位人気に推されるならば評価は下げた方が賢明と言えるでしょう

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上がりが掛かる流れでしか好走出来ない鈍足馬。単純に足が遅いので4走前までは上がりが掛かった○○○賞(しかも特殊馬場で外伸びバイアスに乗った好走でもあった)でのみ好走出来て、後は惨敗の連続。3走前からは成績が良化したものの、3走前◎◎◎Sはレースの上がりが36.4秒も掛かった準OPレベルの一戦。2走前も同じく長距離戦で、道中11秒を刻んだ地点が1Fしかなくレースの上がりが38.1秒も掛かった凡戦。そして前走△△△△はラスト7F目ペースアップしてレースの上がり3Fが36.3秒も掛かったズブズブの差し決着を差し込んだ内容。このように近3走は鈍足馬の同馬に向いた流れ&かなりの弱メン相手に挙げた成績であって、これらにどれだけの価値があるのかは甚だ疑問です。ある程度の高速状態である京都外回り戦では近3走のような流れになることは考えづらく、過去10年の上がり3F平均は35.2秒。キャリア13戦中で34秒台以下の上がりを3度しか計時したことのない同馬(最速34.4秒)が後方から差し込めるなど到底考えられませんので、大雨でも降らない限りは迷いなく消して良いでしょう