皆様、こんばんは。

本日は「チャンピオンズC」全頭分析の「後編」をお届けします。
残念ながら昨日のINポイントは設定数未達という結果に終わりました。が、わずかに未達という結果でしたので、おまけでゴールドドリームの評価全文を公開させて頂きます。

ゴールドドリーム
ダートG1と言えばこの馬、という存在。現在ダートG1(Jpn1)9戦連続馬券内好走の実績は明確に他馬を凌駕するもの。これだけ安定した成績を残せるのは、目立った弱点がないからに他なりません。3歳時のチャンピオンズCで前後半48.8‐49.5秒の消耗ラップで大敗を喫しており、若駒時はハイペース消耗戦が唯一の弱点でしたが、それも加齢と共に克服。2018帝王賞では前後半59.9-64.3秒のハイペースを早め進出からケイティブレイブを捻じ伏せる競馬を見せ、この一戦をもってほぼ弱点は無くなったと言っても過言ではなくなりました。
元々は優秀なギアチェンジからの高いトップスピードのレベルが最大の売りで、持続力もマズマズ。昨年のチャンピオンズCでは前後半48.9‐48.5秒、4Fロンスパ戦を豪快に差し切ったようにロンスパ適性もある。並んでファイトバック出来る勝負根性もありと、非常に高い総合力を持っています。冒頭に書いたようにこれだけ高い総合力があるからこそ、距離・ペース・場所が違うG1で連続好走出来ているのであり、今回も大崩れは考えられません。
ただ今回に限って言えば、巷では加齢による衰えという声が散見されます。それは前走の敗戦が理由だと思いますが、個人的には前走については悲観していません。当時の予想記事ではこう書きました。
ゴールドドリームは衆目一致の本命馬で単勝オッズは1倍台確定。ただ帝王賞を左前の球節炎で回避しており、仕上がりは無視できない要素。中間はCWと坂路で乗られていますが、いずれも時計はイマイチ。最終追いもやや緩慢な動きで、時計精度は昨年とは比べ物にならないほどに低く、なんとか間に合った感満載です。それでも8戦連続でG1連対中の現役NO2馬ですから、能力の違いでなんとかする可能性は高いでしょう。ただ今回に限れば10回走れば2~3回は負ける場面があっても良いと思っていて、盲目的に信頼するのは危険だと感じます
このようにとりあえず間に合わせた感が満載で、あの低パフォーマンスは加齢云々の話ではありません。春2戦を見てもパフォーマンスを落としている感はなくて、今回考えるべきは3,4歳馬との力関係の方でしょう。2018東京大賞典では、前後半61.2-64.7秒の消耗戦で2018帝王賞と同種の流れ。帝王賞時と同様にケイティブレイブは撫で切ったものの、オメガパフュームに追い比べで見劣る敗戦。2018南部杯ではギアチェンジとトップスピードでルヴァンスレーヴに見劣る内容と、現4歳トップクラスに見劣ったことは紛れもない事実。今回はそこにチュウワウィザード等が加わるわけですから、決して楽ではないでしょう。どんなペースパターンでも走れることは先に書いた通りですが、より好勝負するためには、自身ベストと思われる流れ(=前半は極端に上がらずギアチェンジとトップスピードのレベルが要求される流れ)になることが大前提でしょう

続いて、本日分の5頭の分析です。

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先に同馬のキャラクターを説明するならば・・・
長所→長く脚を使える、基礎スピードが高く前半から流れる消耗戦が得意、ロンスパ戦も得意
短所→ギアチェンジ苦手、トップスピードのレベルは並、左回り苦手、ゲートが悪い
とこんな感じ。
短所に絞って説明すると、JDDでの4角~直線序盤(=12.5‐12.2秒)でドンフォルティスやクリスタルシルバーに出し抜けを食らったようにギアチェンジ力は低いです。トップスピード面については、前後半49.6‐48.2秒のスローラスト2F特化戦気味になった2018チャンピオンズCや、48.0‐47.6秒でラスト3F戦になったフェブラリーSで全く反応出来なかったように、極端に速い上がりには対応出来ていません。この2戦については左回りも多分に影響していると思いますが、その左回りの何が苦手かと言うと手前を替えること。器用さが欠けているのだと思いますが、左回り4戦で直線手前を替えたことは実は一度しかありません(フェブラリーSのみ直線入口で右手前に替えました)。G1レベルになると直線をずっと左手前で走り続けては結果を残すことは難しいのは当たり前で、これが左回りで良績が少ない原因です。
ただし近2走では苦手分野を克服しつつあるのか?と思わせるレースをしています。まず2走前帝王賞ですが、前後半61.2‐63.2秒の前傾戦ながら大井らしくラスト4-3Fに12.8‐13.5秒と大きく緩んで、ラスト2F再加速(=12.3‐12.2秒)の流れを豪快に差し切り勝ち。前走JBCクラシックでは苦手左回り&序盤からペースが上がり切らないラスト3F戦と二重苦になりながら、ほとんど勝ったような2着。この2戦を見ても確実に成長が感じられるのは事実で、以前の印象を引きずったままでは痛い目に遭うかも知れません。ただ、地方馬場で物理的に速いラップを求められなかったことと、直線が短い浦和コースだったこと(やはり手前を替えていませんが、直線が短いことでそのディスアドバンテージが隠された)が味方した面を否定できず、この2戦をもって弱点克服と言い切るのは無理があるでしょう。
さてチャンピオンズCですが、まず重要になるのはペース。11秒台中盤を刻む脚があるかはいまだ証明出来ておらず、前半から緩んでしまってトップスピードのレベルを求められる流れになると非常に危険。ほぼ間違いなく出遅れる馬でもあって、流れの助けがないと苦戦は必至でしょう。逆に前半から流れれば基礎スピードの高さを活かせますし、ロンスパ戦になっても持続力は備えている馬ですから好勝負必至です。ただそれでも苦手な左回りという舞台はかなり足枷になるはずで、直線で手前を替えられない不器用さは直線が長くなるほど不利が大きくなりますから、この点は看過できないポイント。能力の高さは認めつつも、少なくない不安点を抱えている人気馬を中心視することにはかなりのリスクが伴います

サトノティターン
左回りダート【5-1-0-1】に対し右回り【1-0-1-2】という成績をもって左回り巧者とする向きが多いようですが、それは余りに短絡的でしょう。個人的には右左は特に関係ないと思っています。それよりも重要なのは輸送距離と、前半の基礎スピードを問われるか否かの方が重要でしょう。キャリア2戦目の直線で、外ラチまでぶっ飛んだ後に今度は急激に内へ切れ込んだという前科があるように、若駒時から気性の難しさを抱えた馬で、輸送を挟むことで気性難が顔を出して能力を発揮出来ないことは過去に陣営も言及している事実があります。京都・中京(後者は芝戦でしたが)で成績が残せていないことは、それが多分に影響しているでしょう。3,6走前はその京都戦でしたが、この2レースについてはテンから流れに乗せて行って終いバッタリという内容で、基礎スピードが低いが故に追走に脚を削がれたという面もあったと思われます。その証拠に好走時は全て自身の前後半バランスは平均~超スローのレースばかりです。 となると今回好走するには、スローペースを先行するかハイペースを差しに回るかの二択になるわけですが、後者については自身の上がり3Fタイムがほぼ36秒台以上であることからも分かるように、速い脚は持ち合わせていない相対差しタイプ。そして前述した気性難が影響しているのかインを差したことが無いタイプで、外回ししか出来ないとなればいくら展開が向いたとしても差して上位入線するのはほぼ不可能と言えます。となるとスローペースを先行するしか好走パターンはないですが、もしメイショウワザシが出られればペースが緩むことはないでしょうし、出なくてもインティは極端にペースを緩めない馬。となると望みの流れになる可能性は低いです。またそういうペース想定以前の問題として中京への輸送をクリアしないととなると・・・とても手は出ないですね

モズアトラクション
まず考えたいのが前走の大敗。前後半60.3‐63.2秒のハイペースながら、前4頭が後続を2~3秒離すような展開で5番手以下はややスロー気味の平均ペース。そのためやや上がりが速くなりましたが、モズアトラクションは3角から捲って行く脚がなく、後方から流れ込んだだけの大敗でした。過剰に負けただけに展開云々以外の要素が強かったはずで、思えば6走前の阪神2000mの仁川Sも同じような負け方でした。同馬は準OP勝ちが阪神2000mですが、この時は3角地点が13.0秒と上がり切らなかったのに対し、前走と仁川Sはそれぞれ12.4秒、12.2秒と速いラップを踏んだレース。恐らくですが阪神のコーナーが合わなかったものだと解釈したいです。
この2戦を除くと、極端な位置から競馬を進める馬にしては極めて安定した成績を残しており、4走前は大沼Sは3~4角前が壁で進出出来ず&短い直線で脚を余した4着。7走前アルデバランSも直線インでスムーズさを欠いた6着と馬券を外した2戦も力負けというよりは展開の綾で、馬柱の印象以上に安定して能力を発揮出来ています。そしてハイライトと言えるのが5走前平安Sで、前後半49.2‐49.6秒からの4Fロンスパ戦を後方2番手から追い込んでオメガパフュームに1馬身差1/4差先着し、チュウワウィザードとはハナ差の接戦でした。このレースは中盤3Fに亘ってペースが緩んだことによって労せず前との差を詰めつつ勝負所に入れたという利がありましたが、噛み合えばG1馬相手でも引けは取らない能力があると証明した一戦でした。
チャンピオンズCでは戦績的にも脚質的にも軽視されること必至ですが、多くの差し馬と違って自力差し出来る点は強み。準OP勝ちの雅Sや平安Sは中盤が緩んで後半の総合力を問われた中で差し込んで来たレース。雅Sではラスト1F11.7秒の脚で差し切ったようにトップスピードのレベルも高いです。一方でエルムSではハイペース消耗戦を差し切っているようにペースが上がっても問題なし。問題は気の悪さとそれに起因するゲートの拙さ。時折レースを投げてしまう悪癖がありますが、そういうリスクに目を瞑ってでも狙う価値のある人気薄ですから、是非とも買い目に加えておきたい一頭です。繰り返しますが、噛み合えば能力は通用します

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基礎スピードが勝った馬で、平均ペース以上でバテ差すような競馬を繰り返していた馬。スローな流れからの一脚は持ち合わせていないのは、こういうタイプにありがちです。3走前の好走は前後半45.9‐48.9秒のハイペースで2F目以降段階的に減速していく流れを差したもので、同馬のキャラクターに流れがぴったり嵌った好走と見ていました。ただその評価が一変したのが前走。前後半46.5‐48.1秒と前半から流れた点は基礎スピードタイプの同馬にはお誂え向きの流れでしたが、ラスト4F12.1-12.1-11.6-12.3秒と直線最速11.6秒と一脚を求められる流れは最悪で、これまでなら反応出来ずに終わっていたはずです。それがむしろこの最速地点で差を詰めて差し切った内容で、自身最速11.3秒のラップを踏んだことは大変意外で新しい一面を見せたと言えるでしょう。
加齢と共に距離適性が延びて、今では1400m以下戦は短くなってしまったという可能性も考えておいた方が良く、そうなれば今回の1800mへの延長もあながち悪くはないと思われます。ただ前走は色々と噛み合ったのも事実で、前半はラチ沿いをロスなく進めて、直線入口ではちょうど馬群の切れ目をスムーズに外目に出せた完璧とも言える騎乗。そして基礎スピードタイプだけに前半から淀みなく流れたペースも合致しました。今回は距離延長に加えてコーナー4つの競馬になりますから、前走と200mの違いしかないとは言えども全く別条件とも言えるコース設定。前走比で大幅相手強化にもなりますから決して楽なレースにはならないでしょう。ただ前半から流れても削がれない末脚は前走で証明しているだけに、ぺースが流れて面白い一頭ではあって、人気を加味すれば押さえておきたい一頭であることは間違いないでしょう

チュウワウィザード
デビュー以来13戦連続4着以下無し、現在9戦連続連対中という抜群の安定感通りに大きな弱点がないことが最大の特長。中央・地方、右回り・左回り、馬場状態は不問で、距離も1800~2500mまで幅広く、平安Sでは差しに回って勝ち切ったように脚質も不問。馬群も問題なしで砂を被っても平気。そしてペース対応幅も広くて、前後半62.9‐63.2秒のスローラスト3Fだった前走JBCクラシックを勝利し、より瞬発戦になったラスト2F特化戦東海Sで2着。ラスト4-3F目は顕著に緩んだとは言え前後半61.2‐63.2秒と顕著に流れた帝王賞で2着。前後半49.2‐49.6秒の平均ペースからの4Fロンスパ戦となった平安S勝利。このように様々ペースパターンで好走を続けています。
ただ終い特化戦の東海Sでは最速地点でインティに引き離され、消耗戦の帝王賞では踏ん張り切れずオメガパフュームに完敗、4Fロンスパ戦の平安Sでは勝ち切ったもののモズアトラクションに大きな違いを見せられなかったように、各分野で突出したものは持っていないのも事実。各教科で80点は取るものの、その全てで100点は取れない優等生という認識で良いと思います。
さてチャンピオンズCですが、取り立ててマイナス材料がないのはこれまで書いた通り。中京1800mは東海Sで唯一インティに食らいついて、3着スマハマを7馬身離した舞台で問題なし。ペースの緩急にも対応出来ますから崩れる姿が想像出来ません。唯一死角があるとすれば、加速までにやや時間を要する馬なので東海Sのようにスローラスト特化戦になって馬群に包まれる形。抜けて来るギアチェンジ力は並ですから、馬群を捌けないまま加速した時にはゴール、ということになりかねません。崩れるとすればそのパターンぐらいでしょうから、当然重い印候補になります

本日は以上。

明日は「チャンピオンズC」の全頭追い切り分析を行います。